2019年2月16日の第12回朝日杯将棋オープン戦決勝・藤井聡太七段 vs 渡辺明棋王。
dolphin評価値グラフ


ぽんぽこ評価値グラフ
将棋ソフトAI評価値に照らす限り、50手過ぎあたりからジワジワと後手に流れが傾き…

先手形勢:dolphin-232(藤井指しやすい) ぽんぽこ61(互角)
65手目▲8八角をdolphin、ぽんぽこが「悪手」判定。

先手形勢:dolphin-411(藤井有利) ぽんぽこ-68(互角)
※dolphin「悪手」判定。
※ぽんぽこ「悪手」判定。

先手形勢:dolphin-1046(藤井優勢) ぽんぽこ-883(藤井優勢)
このスコア差がついては、さすがの渡辺棋王も挽回不能か…と思われたのだが…
実は、勝負はココからだった
この、一見フツーに見える藤井七段の△3四歩が「危険な一手」。

先手形勢:dolphin-1046(藤井優勢) ぽんぽこ-883(藤井優勢)
※dolphin「悪手」判定。
※ぽんぽこ「悪手」判定。
ここで渡辺棋王は▲3六飛と指したが、これまたチャンスを逃した「悪手」だった。

先手形勢:dolphin141(互角) ぽんぽこ-206(藤井指しやすい)
※dolphin「悪手」判定。
藤井=dolphin


ここ、終局後、藤井七段がdolphinと同じく▲7五銀を指摘。

これなら先手互角かそれ以上だったものと思われる。
7五銀の変化
もし渡辺棋王が▲7五銀と指していたらどう展開したか?
数手だけ、dolphin先生と平成将棋合戦ぽんぽこ先生に聞いてみたところ…
▲7五銀

先手形勢:dolphin66(互角) ぽんぽこ213(渡辺指しやすい)
○※渡辺棋王とdolphinが一致。
○※渡辺棋王とぽんぽこが一致。
△8一飛

先手形勢:dolphin137(互角) ぽんぽこ34(互角)
○※藤井七段とdolphinが一致。
▲3四飛

先手形勢:dolphin28(互角) ぽんぽこ155(渡辺指しやすい)
○※渡辺棋王とdolphinが一致。
○※渡辺棋王とぽんぽこが一致。
△8六歩

先手形勢:dolphin1(互角) ぽんぽこ181(渡辺指しやすい)
○※藤井七段とdolphinが一致。
○※藤井七段とぽんぽこが一致。
▲同 歩

先手形勢:dolphin123(互角) ぽんぽこ152(渡辺指しやすい)
○※渡辺棋王とdolphinが一致。
○※渡辺棋王とぽんぽこが一致。
△6六銀

先手形勢:dolphin-15(互角) ぽんぽこ1(互角)
○※藤井七段とdolphinが一致。
○※藤井七段とぽんぽこが一致。
▲同銀上

先手形勢:dolphin-41(互角) ぽんぽこ16(互角)
○※渡辺棋王とdolphinが一致。
△同 歩

先手形勢:dolphin16(互角) ぽんぽこ-2(互角)
○※藤井七段とdolphinが一致。
○※藤井七段とぽんぽこが一致。
▲6四歩

先手形勢:dolphin-1(互角) ぽんぽこ56(互角)
○※渡辺棋王とdolphinが一致。
○※渡辺棋王とぽんぽこが一致。
これはもう「点の取り合い」で、どちらに転んでもおかしくない展開。
遡って、66手目の△3四歩のところ、△7五銀が正着だったよう。

先手形勢:dolphin-411(藤井有利) ぽんぽこ-68(互角)

藤井七段、転倒こらえる
本譜は渡辺棋王がチャンスを逃した(▲3六飛)ため、藤井七段は、今度こそ△7五銀。

先手形勢:dolphin-698(藤井優勢) ぽんぽこ-510(藤井優勢)
○※藤井七段とdolphinが一致。
この局面では、7五の地点が天王山だったよう。
結局、一瞬、足を滑らせた藤井七段だったが、転倒には至らず。
その後は、ミスといえるようなミスもなく、安定の試合運びでフィニッシュ。

まで128手で藤井七段の勝ち。
結論
「67手目、渡辺棋王が▲7五銀と打っていれば互角だった」とも言えるし、

その一手前、「66手目、藤井七段が△7五銀と打っていれば無難だった」とも言える。

つーわけで、将棋も恋愛も同じ。
終わった後になって、他人が「ああすりゃ良かった、こうすりゃ良かった」ってエラソーに言うのはカンタンってこった。




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