2019/6/3 藤井七段が勝つチャンスはココだったか? vs.佐々木大地五段
2019年6月3日(月)第67期王座戦挑戦者決定トーナメント1回戦。
藤井聡太七段 vs 佐々木大地五段戦。
終盤、藤井七段にも勝つチャンスはあったと思われるところ。
それは・・・
チャンス1
73手目、佐々木五段の▲6五桂が「悪手」ないし「疑問手」で、藤井七段にチャンスが訪れたようだった。
先手形勢:dolphin683(佐々木優勢) ぽんぽこ-176(藤井指しやすい)
※dolphin「悪手」判定。
※ぽんぽこ「疑問手」判定。
決定機?
ここがもしかすると、サッカーで言うところの「決定機」だったかもしれない。
先手形勢:dolphin-253(藤井指しやすい) ぽんぽこ-854(藤井優勢)
△8七歩と打って、▲同銀に、△6九銀。
という手順を2種類の将棋ソフトとも読んでいた。
以下、▲8六歩と「死んだふり」をして、銀がもう一枚入るのを狙いとしても、△7八銀成 ▲同玉 △6七角成 ▲8八玉 △8九金 ▲9八玉 △9三桂 という順で、後手が勝ちそう。
※この△9三桂は、後手玉の逃げ道を作りながら、△9七歩成 ▲同玉 △8五桂 を狙ったもの。
他の変化でも、例えば、△8六飛 のように、玉の逃げ道を作りながら、先手玉に迫る手があったりするので、手段に事欠かないようだった。
本譜は…
藤井七段の指し手は△7一玉。極めて賢明な一手に思えたが…
先手形勢:dolphin-646(藤井優勢) ぽんぽこ-1015(藤井優勢)
※dolphin「悪手」判定。
※ぽんぽこ「悪手」判定。
2種類の将棋ソフトが揃って「悪手」判定。
惜しいチャンスを逃したと言えそうだ。
チャンス2
2度目に巡ってきたチャンスはここ。
先手形勢:dolphin517(佐々木優勢) ぽんぽこ467(佐々木有利)
※dolphin「疑問手」判定。
※ぽんぽこ「悪手」判定。
将棋ソフトで見解分かれるも…
藤井七段の指した手は、ぽんぽこ先生と同じ△5一金。
…だったが、ここは、dolphin大先生の△6九銀が面白かったんじゃないか?
以下、▲7七馬に、△7一玉!という、いかにもAIな手を指さなければならないが、これなら、後手・藤井七段が残っていたようだ。
この△7一玉は、次に、△6五桂(または△8五桂)の「詰めろ」を狙いつつ、▲9二飛 からの「早逃げ」。
※すぐに桂を打つと、飛車で「王手・桂取り」に打たれる。
以後、数手進んだのがこの局面。
先手形勢:dolphin-1275(藤井優勢) ぽんぽこ-744(藤井優勢)
こうなれば、駒が急所に効いている後手が勝つはずだ。
※現在、先手玉は、△7八銀成以下の詰めろがかかっている。
チャンス3
ラストチャンスと思われるのがここ。
先手形勢:dolphin96(互角) ぽんぽこ61(互角)
※dolphin「悪手」判定。
※ぽんぽこ「悪手」判定。
ここで、一番やってみたい△3一銀は、▲9二飛以下即詰みなので、他の手を選ばなければならないところ…
最も平凡な△6一同銀が正解だった可能性が高い。
以下、▲9二飛 △7一玉 ▲3四龍
が先手の狙いと思われるが…
じっと△4六馬と寄っておいて、後手優勢だった。
先手形勢:dolphin-935(藤井優勢) ぽんぽこ-1264(藤井優勢)
※△6七成桂~△7八成桂~△5六馬 の王手飛車の筋がある。
本譜はトリッキーな手が出るも…
本譜は、持ち駒の銀を、タダで取られに行く9四に打った。
▲同香なら、今度こそ△3一銀(ここで▲9二飛と打っても、△8三玉で詰まない)。
「さすが!」
と思わせた手ではあったが・・・
※dolphin「悪手」判定。
※ぽんぽこ「悪手」判定。
そして、佐々木五段は秒読みの中でも冷静だった。
先手形勢:dolphin915(佐々木優勢) ぽんぽこ654(佐々木優勢)
○※佐々木五段とdolphinが一致。
○※佐々木五段とぽんぽこが一致。
龍を逃げながら馬取りに当てた▲3四龍。
※これに対して、△5八馬は、▲9四龍と取られて負け筋(先手玉に詰みなし。)。
この後は、藤井七段にとって、厳しい展開となった…
最後まで魅せたが…
先手形勢:dolphin1296(佐々木優勢) ぽんぽこ3982(佐々木必勝)
最後も、「応手を間違えれば頓死させる」というファイティングスピリットを見せた藤井七段だったが、ここで間違える佐々木五段ではなく、「タイトル初挑戦」へのカウントダウンを減らしたのは佐々木五段のほうだった。
まで139手で佐々木五段の勝ち。
先手形勢:dolphin5664(佐々木必勝) ぽんぽこ7121(佐々木必勝)
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