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藤井七段△6二銀に中田八段が▲同龍と取らない(2四金)変化

2020年1月8日

2019年3月27日(水)の第32期竜王戦4組ランキング戦・藤井聡太七段vs中田宏樹八段。

102手目・藤井七段が指した△6二銀に対し、中田八段が▲同龍と取らず、代わりに▲2四金と打っていたらどうなっていたか?

同龍がダメなら…

△6二銀を▲同龍と取れないとなると、先手の手もだいぶ限定されることになる。

龍が金縛りにあったみたいな状態になるのだから…

逆に言えば、△6二銀は、単なる「振り込め詐欺」みたいな手ではなく、それなりに「効いている手」ということにもなるわけだが…

▲2四金なら先手有望?

▲6二同龍に代わる手といえば、▲2四金か▲3四桂くらいしかなさそう。

結論を言えば、▲3四桂が最善手で、これなら先手がそのまま押し切っていたよう。

ここでは、一番筋の良さそうな▲2四金だったらどうなるか? を考えてみる。

△3三歩なら…

▲2四金に対して△3三歩なら、今度こそ▲6二龍。

ここから△6八龍と詰ましに行っても、

▲5七玉の局面になった時、△5六歩と打つ歩がないため先手玉は詰まない。

よって、△3三歩では後手の負け。

△4五銀なら…

▲2四金に対して△4五銀と逃げた場合は、▲3四金打。

△5二玉の一手に▲4四金。

(次に▲5三金~▲4二金~▲6二龍の詰めろ)で、これは先手が寄り切り勝ちしそう。

△5六角なら…

▲2四金に対して△5六角なら、▲3四金

△同角 ▲同桂

ここから△6七桂 ▲同金左 △同馬

としても、▲4二桂成以下、馬の利きに触れないように、王手をかけ続けていればそのうち詰む。

△6七桂が最強

▲2四金に対して△6七桂が最強の一手で、これだと勝負はどちらに転ぶか分からない。

▲同金左 △同馬 に▲3三金打

△4四玉 ▲3四金寄 △5五玉

▲4七桂 △5六玉 ▲6七金

と王手で馬を取りながら、さらに、王手をかけながら龍まで取る順があって、先手がイケてるんじゃないかと思っていたが、後手玉も広く、先手にとって容易ではない展開のよう。

∴最も平凡な▲3四桂が良いようで…

この銀を取らずにいられるか

元に戻って、102手目の△6二銀。

厳密には、この局面ではまだ先手勝ちだったのは間違いなさそう。

とは言うものの・・・

「▲同龍と取ったら100%詰み」と読み切らないうちに▲同龍以外の手を指せるか?

このあたりは、棋士にもよるのかもしれないけれど、この点、中田八段は、侍(サムライ)だったということだろう。

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