藤井七段△6二銀に中田八段が▲同龍と取らない(2四金)変化
2019年3月27日(水)の第32期竜王戦4組ランキング戦・藤井聡太七段vs中田宏樹八段。
102手目・藤井七段が指した△6二銀に対し、中田八段が▲同龍と取らず、代わりに▲2四金と打っていたらどうなっていたか?
同龍がダメなら…
△6二銀を▲同龍と取れないとなると、先手の手もだいぶ限定されることになる。
龍が金縛りにあったみたいな状態になるのだから…
逆に言えば、△6二銀は、単なる「振り込め詐欺」みたいな手ではなく、それなりに「効いている手」ということにもなるわけだが…
▲2四金なら先手有望?
▲6二同龍に代わる手といえば、▲2四金か▲3四桂くらいしかなさそう。
(結論を言えば、▲3四桂が最善手で、これなら先手がそのまま押し切っていたよう。)
ここでは、一番筋の良さそうな▲2四金だったらどうなるか? を考えてみる。
△3三歩なら…
▲2四金に対して△3三歩なら、今度こそ▲6二龍。
ここから△6八龍と詰ましに行っても、
▲5七玉の局面になった時、△5六歩と打つ歩がないため先手玉は詰まない。
よって、△3三歩では後手の負け。
△4五銀なら…
▲2四金に対して△4五銀と逃げた場合は、▲3四金打。
△5二玉の一手に▲4四金。
(次に▲5三金~▲4二金~▲6二龍の詰めろ)で、これは先手が寄り切り勝ちしそう。
△5六角なら…
▲2四金に対して△5六角なら、▲3四金
△同角 ▲同桂
ここから△6七桂 ▲同金左 △同馬
としても、▲4二桂成以下、馬の利きに触れないように、王手をかけ続けていればそのうち詰む。
△6七桂が最強
▲2四金に対して△6七桂が最強の一手で、これだと勝負はどちらに転ぶか分からない。
▲同金左 △同馬 に▲3三金打
△4四玉 ▲3四金寄 △5五玉
▲4七桂 △5六玉 ▲6七金
と王手で馬を取りながら、さらに、王手をかけながら龍まで取る順があって、先手がイケてるんじゃないかと思っていたが、後手玉も広く、先手にとって容易ではない展開のよう。
∴最も平凡な▲3四桂が良いようで…
この銀を取らずにいられるか
元に戻って、102手目の△6二銀。
厳密には、この局面ではまだ先手勝ちだったのは間違いなさそう。
とは言うものの・・・
「▲同龍と取ったら100%詰み」と読み切らないうちに▲同龍以外の手を指せるか?
このあたりは、棋士にもよるのかもしれないけれど、この点、中田八段は、侍(サムライ)だったということだろう。
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とても良く理解出来ました(^-^)