第48期棋王戦五番勝負第1局 ▲2五桂打はAI候補手何番手?
渡辺明棋王/名人に藤井聡太竜王/五冠が挑戦する第48期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第1局。
中盤、71手目に藤井竜王が放った歩頭の継ぎ桂・▲2五桂打。
こういう手は、なかなか思い浮かばないもので、しかも他に「普通の手」で有力そうな手がいくつかあるだけに、仮に思い浮かんだとしても、おいそれと着手までには至らないもの。
でも、藤井竜王はやった。
果たして、
1)その場で思いついた手なのか?
2)似たような局面でこういう手があることを「知っていた」のか?
3)同一局面を「研究済み」だったのか?
本当のところは本人にしか分からない(本人に聞いても本音で答えるとは限らない)。
ただ、1)と2)と3)の間には大きな差はないとも言えるかもしれない。
(例)ギャグを思いつくのは、過去に同じか似たようなギャグを聞いていて、それが記憶のどこかに残っているから。
AI候補手何番手?
そうなると気になるのが、この▲2五桂打、「将棋ソフトがよくやる手」かどうかというところだろう。
70手目の局面で水匠5とdlshogiをぶん回してみたところ…
水匠5の上位候補手
▲2五桂打、水匠5では、1位、2位あたりを行ったり来たりしている手なのが分かった。
「ノード数」とは、将棋ソフトが読んだ手の総数(と理解すればよいだろう)。
8億手後半あたりで最善手、15億手あたりで次善手、20億手あたりで最善手…。ノード数がもっと小さい段階でも最善手に上がっていた時間帯があった。
dlshogiでも「そこそこ有力」
dlshogiでも、▲2五桂打は、+234あたりで、1位の+407とそれほど変わらない手とされていた。
※「ランク」が評価値順に並んでいないのはよくあることなので気にしない。
※dlshogiの場合、水匠とは別のロジックなのか、ノード数は水匠よりもうんと少なくても問題ないとされている。
AI由来の手の可能性は十分
藤井聡太が▲2五桂打をどうやって学習したのか、それを断言できる人はいないだろうが、例えば、大山康晴全集の棋譜を何も見ないで全て再現できるほどに記憶していたとしても、それだけでは、▲2五桂打は多分指せない。
やはり、AI由来の手と考える方が自然だろう。
いっしょに読まれています
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません