2019/2/12 藤井vs池永 最終盤「幻の勝負手」があった!?
2019年2月12日(火)第69期王将戦一次予選・藤井聡太七段vs池永天志四段。
dolphin評価値グラフ
ぽんぽこ評価値グラフ
池永四段、132手目△8六飛が「痛恨の一手」として認知されているところ…
実はその後、池永四段に起死回生の勝負手があった!?
問題の局面
池永四段が「最後のお願い」とばかり、王手ラッシュをかけ始めたところ。
先手形勢:dolphin2417(藤井勝勢) ぽんぽこ1714(藤井勝勢)
▲6八歩だと△5七龍を残すので、金か銀を合駒すべきと思われるところ…
先手形勢:dolphin2547(藤井勝勢) ぽんぽこ2791(藤井勝勢)
藤井七段は、1分将棋の秒読みの中、より安全度が高そうな銀を合駒に使った。
※ちなみに、金を合駒した場合、△6九角~△6八龍~△7八金~△7七金打の筋が怖いけど、この場合、先手玉は6七⇒5六⇒5五⇒4四・・・と逃げられるので大丈夫※
まあ、銀合ならばその筋すらないわけで・・・
ところが・・・
※dolphin「悪手」判定。
池永四段にワンチャンス!?
ここで後手に△3四角という「次の一手」みたいな手があった。
▲同馬なら、
△8三飛 ▲7一金 △9二玉 ▲8四歩
△同 飛 ▲8六歩 △6五桂
▲7六金打 △7七銀 ▲同 金△8八金
で、これは後手、再逆転。
でも、やはり先手勝ち
・・・とはいうものの・・・
この角を取らず、▲6七歩 △6一角 ▲8二歩成 △同玉…
先手形勢:dolphin1744(藤井勝勢) ぽんぽこ1206(藤井優勢)
のように進めば、「延長戦」にはなっても、最後は先手が勝ちそう…
また、最初の局面、
ここを金の合駒にした方が龍取りになっている分、後手がより困っていたということのよう。
結論
・・・というわけで、勝負には影響はなかったと思われるが、
勝負とは別に、△3四角のような手を実際に見てみたかった気はする・・・
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ディスカッション
コメント一覧
この角打ちを見てあらためて、将棋ってすごい、と思いました。今のところAIの進歩は、将棋と棋士の存在価値を何ら損ねることなく、ますます感動が高まります。どちらが有利かわからずただ局面を見つめるよりも、評価値の上下でハラハラ、エキサイトする方が明らかに楽しいです。将来はどうなるかわかりませんが。
私も同感です。AIの進歩でプロの存在意義がどうなるか? という議論がありましたが、プラスに作用していると言ってよさそうですね。